幾度も水質日本一に選ばれた清流・高津川。その支流のひとつ、匹見川の原流域で、匹見ワサビは育てられています。広葉樹の豊かな森が蓄えた清らかで豊富な水と、生い茂る木々の木漏れ日がワサビ作りに最適な環境となっているのです。匹見のワサビ谷は、ほとんどが標高500m以上に位置しており、中には1時間以上歩いていく所も。ワサビは植え付けてから出荷できるまで約3年。大自然の恵みをじっくりと受け取った、素晴らしいワサビが育っています。

ワサビの植え付けは、まず石と土を堀り、ワサビを植える溝をつけます。次に、周辺にある石の苔をきれいに取り、並べて列をつくります。そこにワサビをそっと置き、流されないように小さめの石を重石にします。ひとつひとつ、一列ずつ、手作業で行います。

森を整備し、石を積み、水の流れを整え、ワサビを植える。丁寧に作業を積み重ねる、作り手の情熱とワサビへの想い。そして、自然の清らかさが、この美しいワサビ谷を作り上げています。

宿泊用のケビンとテントサイトからなるキャンプ場は、夏休みには予約が取れなくなることもあるほどの人気。2つの川の合流地点に位置しており、一方は流れが緩やかで川遊びに最適、もう一方は釣りが楽しめるバラエティさで、家族連れに喜ばれています。宿泊場所と川の距離がとにかく近く、室内にいても自然のゆらめきを感じられるほど。小綺麗なケビンのバルコニーに出れば、マイナスイオンたっぷりの風がそよぎます。

レストパークは裏匹見峡自然観察遊歩道のスタート地点。片道およそ4kmの川沿いに豊かな広葉樹林が織りなす景勝が堪能できます。時間のない方には、周辺を散策するお手軽コースがおすすめ。どちらも管理棟でコースマップを配布していますよ。

夜になると夏でも肌寒さを感じます。焚き火を囲んで、ゆったりとした時間を過ごす…というのも最高の贅沢ですね。さらに、空を見上げると、星ってこんなにたくさんあるんだ…と圧倒されるほどの、満点の星が瞬いています。

国道191号線から少し入ったところに駐車場があります。少し歩けば、すぐに豊かな自然の中へ。大きな岩々をすべり落ちる清流と美しい苔の絨毯に魅了されながら、沢の音と共に歩みを進めれば、爽やかな森の空気が疲れた心と身体にスーッと沁み渡り、いつのまにか前向きな気持ちになり、回復した自分に気づきます。揺れるこの葉や揺らぐ水面に目を凝らせば、たくさんの小さな生き物たちにも出会えます。

奥匹見峡には、ホンシャクナゲが群生しており、5〜6月には淡紅色の優雅な花を咲かせます。夏は豊かなで心地よい緑、秋の美しい紅葉、冬には音のない雪景色と、四季を通して違った表情を楽しむ事ができます。

最奥部では、大竜頭と呼ばれる落差53mの滝が出迎えてくれます。終着地点に相応しい雄大な姿は、本当によく来たと、労をねぎらってくれているかのよう。滝の流れにパワーをもらって、明日からまた頑張るぞ!と元気になること間違いなし。

登山口は国道42号線から山道を車でおよそ10分登ったところにあります。なので、山頂まではわずか1時間ほどというお手軽さ。古くから天狗伝説などが語られるなど、かつては修験道の聖地として信仰の対象とされていました。頂上の巨岩の下には、三坂大明神という女神が祀られており、女性が山に入ると女神が嫉妬をして荒天になると信じられていたため、古くから女人禁制とされてきました。登山口には立派な鳥居が建てられています。

必要最低限の整備しかされていないため、道はそこそこ険しいのですが、自然の厳しさを感じられる所が魅力でもあります。所々に現れるお社に神秘的な力を感じ、苔むした木やそこから生えるきのこに、自然の美しさを感じます。

山頂からは、木々を上から見るというレア体験ができます。絶景を眺めながら食べるおにぎりは、最&高!!もう一度、あの自然を感じたい、あの景色が見たい。そしてまた、登ってしまう…大神ヶ岳は、そんな魅力をもっている不思議な山です。